★4の上。
著者の11冊目。
少女時代のトラウマが彼女を肉便器への道に貶める。女陰に住みついた幻影に翻弄されながらも過去を取り戻した彼女は…。陰鬱系エログロカルト劇『ひる』は全4話。
ミステリと言うにはオバカすぎる『正直なからだ』。
皆既日食の空の下で和服美人の下宿のおかみさんが黒い穴をさらけ出し子供に蝋を垂らされ掘られ糞をひりだし犬に掘られ小便かけられるアートポップなエロコメ『黒日夢』。
完全にアートポップでカルトな無声劇『SEASON IN THE ABYSS』。
壁に塗り込まれた受刑者である女の不条理な受難物語『壁』。
『正直なからだ』は相当に安易です。まあ即物的には面白いけど。
『ひる』は味わい深い反面、過去の作品の延長線上にあるため全てを読んでいる方なら新鮮味には欠けるかも。
『壁』『黒日夢』『SEASON IN THE ABYSS』が最高にイカシテマス。
三和ものなのでスカも多いしグロ描写も盛りだくさん。そして消しもデカイ。
ミステリではあるんだけど多分にアートポップ系な一冊。
初期から中期の短編集では『澱』と並んで味わい深い作品集でした。